2025年 | プレスリリース?研究成果
気候変動がもたらすワイン用ブドウの栽培適地の変化 ― 日本に複雑に分布する適地を科学的に予測する ―
【本学研究者情報】
〇大学院工学研究科土木工学専攻 助教 平賀優介
研究室ウェブサイト
【発表のポイント】
- 気候変動予測と生物種分布モデルを組み合わせ、将来の気候条件における東日本のワイン用ブドウ栽培適地の変化を予測しました。
- 気候変動の進行に伴い、北海道全域や東北北部、さらに標高の高い地域でワイン用ブドウの栽培適性度が大きく向上する可能性があることを示しました。適性度の変化の程度は気候変動シナリオによって大きく異なることも示しました。
- 既存の栽培地でも、栽培時期を早めるなどの地域適応策を講じることにより、適性度の低下を緩和できることを定量的に示しました。
【概要】
近年、気候変動の影響が顕著に現れており、特にワイン用ブドウ栽培への影響は世界的に懸念されています。東北大学大学院工学研究科の平賀優介助教の研究チームは、東日本のワイン用ブドウ栽培地の地理空間データを整備し、生物種分布モデルと呼ばれる統計モデルと気候変動予測データを組み合わせて分析しました。これにより、気候変動が進行した場合のワイン用ブドウ栽培の将来的な栽培適地分布を予測しました。結果として、北海道全域や東北北部、また標高の高い地域において、ワイン用ブドウの栽培適性度が大きく向上し得ることを示しました。また、既存の栽培地においても、栽培時期を早めるなどの適応策が有効であることを示しました。これにより、気候変動を見据えたワイン用ブドウ栽培の適応戦略や、新たな産地の開発に向けた政策の策定に対し、科学的根拠に基づいた指針を提供することが可能になりました。
本成果は、11月25日付で科学誌Theoretical and Applied Climatologyに掲載されました。
図1. 現在の気候(2008-2020年)におけるワイン用ブドウの栽培適性度の分布。構築した種の分布モデルによる推定結果を示す。
【論文情報】
タイトル:Viticulture suitability estimates under climate change in Japan
著者: Yusuke Hiraga*, Takuya Matsumoto
*責任著者:東北大学大学院工学研究科土木工学専攻 助教 平賀 優介
掲載誌:Theoretical and Applied Climatology
DOI:10.1007/s00704-025-05889-y
問い合わせ先
(研究に関すること)
東北大学大学院工学研究科土木工学専攻
助教 平賀 優介
TEL: 022-795-5007
Email: yusuke.hiraga.c3*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(報道に関すること)
東北大学工学研究科?工学部
情報広報室
担当 沼澤 みどり
TEL: 022-795-5898
Email: eng-pr*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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