2025年 |
What do you do in 東北大学? ー「東北大学で働く」って何?ー
このコーナーでは、東北大学に数多くある部局?施設?機構の実態を、働く教職員の皆さんのお話を通じてお伝えします。
今回は、2021年4月に設置された新しい組織である「グリーン未来創造機構」についてです。大学の中でも対外的な活動が多いイメージの機構です。
大友歩さん(産学連携部特定事業戦略室 特命課長)に、組織についてや将来の展望などについてお聞きしました。
(聞き手:学生広報スタッフ 千葉)
ー「グリーン未来創造機構」はどういう組織?
教育?研究をはじめ、産学連携や社会共創まで「全方位」で仕事をしています。 大学の組織は、教育なら教育のセクション、研究なら研究のセクションという縦割りで動いているのですが、私たちは縦割りで区切るのではなく、全方位で課題解決を行っています。
活動の軸として、「カーボンニュートラル」「ネイチャーポジティブ(生物多様性)」「サーキュラーエコノミー(資源循環)」「リカバリーアンドレジデンス(復興)」「宇宙」の5本の柱を打ち立てています。この5本の柱を中心に、教育?研究?産学連携?社会共創を展開しています。
ー具体的な活動は?
教育では、福島の復興再生に関する授業として、全学教育で「福島の復興?再生」を行っています。あと、コロナ禍に入ってからは「SDGs入門」という授業で伊沢拓司さん(QuizKnock)に授業を担当してもらっています。企業との教育プログラムとして、マイクロレジデンシャルや金融教育を行っていますね。また対象は大学生だけにとどまらず、中高生向けにも行っていて、2023年には南相馬で水素に関するワークショップを行いました。
研究では、AI insideと提携を結んで、東北大学の研究室での共同研究を行っています。東北大学は、実は宇宙にも強いので、「宇宙とAI」というテーマで研究をしたら面白いのでは?とAI insideの社長と話していたんです。また、AIMR(東北大学材料科学高等研究所)の先生から「水素、特にメタネーション(水素と二酸化炭素を合成してメタンを生成すること)の研究をしたい」、加えて「災害復興の研究もしたい」とお話をいただいて、チームを作るお手伝いをしました。
産学連携としては、講演会?シンポジウムを主催しています。東北大学が行っている良い研究をもっと多くの人に知ってもらいたいので、企業がより多く集まっている東京でシンポジウムを行っています。最近は毎月やっていますね。
社会共創に関しては、福島復興に関してトヨタ自動車と株式会社batonと一緒に取り組んでいます。トヨタ自動車と聞くと車のイメージが強いですが、実は一緒に取り組んでいるのは「農業」や「古民家再生」についてなんですよ。batonとは、まず「福島に関わる人や応援してくれる人を増やそう」という試みで教育プログラムの展開を行っています。
東北にある総合大学として、福島への思いはかなり強いです。東日本大震災から10年以上経っていても街に人がいない?復興が完了していないんです。東北大学として、福島と手を組んでさまざまなことに取り組むことに意味があると考えています。
これらの取り組みは、多くの人や企業と力を合わせて行っています。人とのちょっとした繋がりを大事にしていくと、話が大きくなっていくと思っています。
社会的に「より多くの皆さんに東北大学を知ってほしい」という気持ちもあって多くの企業と提携を行っていますね。SNSもその一環で、「発信をしたい!」という職員が自由にX(Twitter)で投稿をしています。
ーグリーン未来創造機構としての今後の展望は?
もっと「グリーン未来創造機構はこんなことをやってます」というのを知ってもらいたいと考えています。どこかに興味を持ってもらえるきっかけをいっぱい作っていきながら、いろいろなところに発信していきたいです。極端な話、「東北大学といえばグリーン未来創造機構だよね」と言われるくらい名実ともに大きくしていきたいですね。 加えて、大学はまだ縦割りの組織なので、グリーン未来創造機構がうまくほぐせるようになっていければいいのかなとは思ってます。どんどんいろいろなところに刺さっていきたいです。
文:学生広報スタッフ 千葉 美侑
写真:東北大学総務企画部広報室
グリーン未来創造機構
協力:グリーン未来創造機構
問い合わせ先
総務企画部広報室
Email: koho*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)