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What do you do in 東北大学? ー「東北大学で働く」って何?ー

#01 ともプロ!?東北大生の未来を作るクラウドファンディング?

このコーナーでは、東北大学に数多くある部局?施設?機構の実態を、働く教職員の皆さんのお話を通じてお伝えします。

今回は、2021年より行われている「ともプロ!」についてです。
このプロジェクトは、 学生向けのクラウドファンディング挑戦企画として2021年より実施されています。学生から取り組みを募集し、選考を経て採択された取り組みが、大学独自のクラウドファンディングでの資金調達に挑戦します。

プロジェクトの運営に関わっている佐藤勝偉さん(基金?校友事業室基金係)に企画の経緯や思いを伺いました。また、プロジェクトで実際に採択された「perple(パープル)」(2024年参加団体)、「ARES Project(アレスプロジェクト)」(2023年参加団体)に参加者としての思いや展望を語っていただきました。

(聞き手:学生広報スタッフ 千葉)

東北大学基金?校友事業室基金係 事務一般職員
佐藤 勝偉さん

佐藤 勝偉さん

佐藤 勝偉さん

コロナ禍で、学生が思うように活動や挑戦できないという時に、新しいことにチャレンジする機会やきっかけを与えられたらなということで「ともプロ!」が始まりました。
ただ学生に資金を助成するというのではなく、クラウドファンディングという形を取ることで、たくさんの人を巻き込みながら、東北大生の魅力について発信する機会にもなると思い、こうした仕組みにしました。

苦労したことは、企画における認知度の向上です。もっともっと多くの学生に応募してもらいたいと思っています。

嬉しかったのは、素敵なプロジェクトや学生に伴走できることですね。その中で、参加学生から「基金の皆さんのサポートのおかげです」と声をかけてもらえると、大変嬉しく思います。

学生から集まった案を見ていると、自分が学生の頃は思い付かないようなプロジェクトばかりで、毎年面白いと感じています。

自分が「これ面白い」と思っていても採択の選考に通らないプロジェクトはありますが、また挑戦する時の糧にしてほしいなと思っています。

「ともプロ!」でやる意義は、挑戦することや「何か課題の解決に取り組みたい」という想いを大切にすることです。ジャンルは問わず、多様な挑戦を歓迎していますので、漠然と「これやってみたい」と考えている学生や、自分を売り出したい?アピールしたいという学生などに、ぜひ挑戦してほしいです。

また、実際に助成を受けて、「やってみたら想像以上に大きな成果を得られた」と感じられることも醍醐味の一つだと思いますね。

学内外問わず、学生たちが「何かに挑戦したい」「何か社会課題を解決したい」という時に「じゃあ『ともプロ!』に挑戦しよう」と思ってもらえるような企画にしていきたいと思っています。

***

ここからは「ともプロ!2024」に参加している団体の一部をご紹介します。

perple 代表
久保田 隆文さん(医学系研究科?東北大学病院てんかん科医員)

研一と一緒にパシャリ

研一と一緒にパシャリ

perple(パープル)

「ともプロ!2024」参加団体。
てんかん患者への薬剤選択に関する支援のプロジェクトを掲げている。
「ともプロ!」では初となる、初日での目標金額達成?約10日でのセカンドゴール達成を記録。
てんかん患者の家族を経験したメンバーを含む、医療系学部生?院生で活動を進めている。

―「ともプロ!」に参加しようと思ったきっかけは?

近頃、研究者がクラウドファンディングを行って研究費を獲得しています。私たちも研究開発費の新しい形の獲得方法を考えていました。

さらに、「ともプロ!2024」が大学公認の「学生を応援するクラウドファンディング」なので、大学のサポートがあることが他のクラウドファンディングと比べ魅力を感じました。自分はクラウドファンディング自体やったことがなくて、こういう経験も何か糧になるのではないかなとも思っていましたね。

― 挑戦する中での作戦は?

やはり事前準備とスタートした後の滑り出しがものすごく大切でした。
自分たちが動かないと応援してもらえないので、始まる前の期間はもちろん、前日にも周知を行いました。初速は自分たちの家族やてんかん学の先生など、本当に身近な支えでした。

準備のおかげで「目標金額を初日で達成」という記録を作ることができました。過去最高金額など、現時点でのトラックレコードをまだまだ作っていきたいと思っています。今はちょっと中盤に差し掛かっていて伸び悩んでいて、自分たちも苦しいところはありますが、それでもやり続けることが今まで支援してくれた方々を喜ばせると思ってやっていますね。

― 実際達成された時は?

純粋に嬉しかったですね。想像以上でした。
また、患者さんやそのご家族から寄付?コメントをいただいたことや、自分たちが知らないところで応援してくださっている方がいることがすごく嬉しくて、自分たちのモチベーションになりました。

― 残りのクラウドファンディング期間への思いは?

最後にしっかり伸ばしていくことと、それまで地道に頑張れるかというところです。最後の5日間は仕掛けをしたいなとは思っています。
一番大事なのは、地道な活動とちょっとした「エンタメ要素」を織り交ぜることかなと思っていますね。

プロジェクト挑戦前はあまり感じなかったのですが、達成するとみんな驚いてくれました。自分はそういう「一緒に楽しむ」ことがすごく大事だと感じています。誰かの支援が次の誰かの応援を呼び込む連鎖になっていて、支援者が寄付によって「私も大きいうねりに参加できた」と思うことができたら、それが次の楽しさにつながると思っています。これがエンターテインメントだと思ってますね

― ともプロ!が終わってからの展望は?

「世界中のてんかん患者さんに最適な治療と支援を通じて幸せな人生を実現する」を元に、「2030年までに50万人の患者さんにマルチオミックスを届ける」というミッションに向けてひたすら邁進し続けます。
その中で、研究から現場に届けるまで様々なハードルがあって、どうクリアしていくかを今考えています。「ともプロ!」で行っている「マルチオミックス解析による薬剤選択の支援」という大きいテーマを細分化して最初の一歩をあと1年くらいで見極めたいですね。

― これから「ともプロ!」に挑戦したい学生や応援したい人に向けて

「ともプロ!」はすごくいい仕組みだなと思っています。何かチャレンジしたいという人がいたらぜひチャレンジして、応援を受けていく過程のプロセスを学べるすごくいい機会かなと思います。

寄付って何かを変える力になるんじゃないかなっていう気持ちが大きいです。誰かを応援したら、応援を受けた人が恩恵を受けるとともに、応援した人のモチベーションや感情が改善することもあるのかなと思っています。

クラウドファンディングだと、募金よりもインタラクティブに、そしてプロジェクトの変化も追えるので、そのエコシステム?循環の中に入って楽しめることもすごくいいかなと思いますね。

ARES project 代表
阿依 ダニシさん(工学研究科 航空宇宙工学専攻 博士後期課程1年)

2024年の学生世界大会の様子

2024年の学生世界大会の様子

ARES project(アレスプロジェクト)

「ともプロ!2023」参加団体。
日本初となる「学生による火星探査機開発のチーム」を結成し、火星探査機の学生世界大会"University Rover Challenge(URC)"への日本チームとして初出場を目指した。2024年5月、見事世界大会の決勝に進出し、プレゼン優秀賞としてSpirit Awardを受賞した。

「ともプロ!」参加時には、目標金額を超える52万円の寄付を受け、機体開発や発表、大会出場など各方面で活動を進めている。

―「ともプロ!」に参加しようと思ったきっかけは?

ARES Projectを始めて以来、東北大学の学生メンバーが多いにも関わらず、東北大学との関わりを持っていませんでした。
 また、プロジェクトの活動資金が多くかかるので、自分たちでクラウドファンディングによる資金調達を検討していましたが、複数回挑戦してしまうと効果が落ちてしまう、かつオフィシャル性に欠けるなどの問題があります。「ともプロ!」の東北大学との関わりや、オフィシャル要素を含んだ資金集めという部分に魅力を感じ、昨年度挑戦することにしました。

― 昨年度の「ともプロ!」以降の影響は?

スポンサー様やメディア等との会議の際、「ともプロ!」への挑戦を大きくアピールできています。その活動も含めて認められ、スポンサーになってくださった企業もあります。また、「ともプロ!」の情報発信や活動により、取材につながったケースもありました。

―「ともプロ!」終了後の活動は?

主に大会に向けた開発を加速させました。予算規模に余裕が出たため、大規模なアップデート構想をローバーに取り入れ、積極的に実験予定を立てながら開発を進めることにしました。
このような活動のおかげで、URC2024へ日本勢として初出場を成し遂げられたと考えています。
今後さらに活動を加速させ、大会での優勝を目指すとともに、地球上での実験を想定するだけでなく、実際の宇宙開発に踏み入った開発を検討しています。いずれ本当に活用される宇宙探査機を開発することを目指しています。

― これから「ともプロ!」を目指す学生に向けて

ともプロは自分たちの活動を宣伝?加速させるとともに、自分たちに不足している要素を知る大きな機会です。自信がなかったり、不安要素があっても情熱がある学生はぜひ挑戦していくべきだと思います。頑張ってください!

文:学生広報スタッフ 千葉 美侑
写真:東北大学総務企画部広報室
東北大学基金?校友事業室
協力:東北大学基金?校友事業室
perple
ARES project

問い合わせ先

総務企画部広報室
Email: koho*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

学生広報スタッフページ
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