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細菌を物理的に撃退する チタンナノ表面形態デザインを発見 -ナノ突起構造の電気的反応性が抗菌効果を発揮-

【本学研究者情報】

〇大学院歯学研究科 分子?再生歯科補綴学分野
准教授 山田 将博
教授 江草 宏
研究室ウェブサイト

【発表のポイント】

  • 薬剤耐性対策のために、化学反応を伴わない物理的な抗菌作用を示す機能性材料の開発が期待されています。
  • チタンの表面に無数のナノ突起を異方的に配置した微細表面加工を施し、そのチタンナノ表面は物理的刺激を加えることで生物の機能を制御することを明らかにしてきました。
  • チタンナノ突起の異方的な配置そのものが、チタン表面の電気的反応性を高めて、細菌付着の抑制や殺菌という物理的な抗菌効果を導くことを示しました。

【概要】

細菌が薬剤に対して耐性を持って効かなくなる対策のために、ナノ突起で細菌を物理的に破壊する物理的抗菌性ナノパターン材料が様々な材質で開発され、注目を集めてきました。しかしこれまで、特にチタンなどの無機材料をもちいた抗菌性ナノパターン材料の効果は確認されていますが、抗菌活性の原理は十分に解明されていませんでした。

東北大学大学院歯学研究科分子?再生歯科補綴学分野の山田将博准教授と江草宏教授らの研究グループは、異方的に配列した無数のナノ突起が細胞に物理的刺激を加えることで、生体活性を発揮するチタン微細加工法を開発しました。

今回、表面に存在する無数のナノ突起の異方的な配列そのものが、チタンナノ表面の電気的反応性を高めて、物理的に細菌の付着抑制や殺菌効果(メカノ殺菌)を発揮することを示しました。

本研究成果により、抗菌剤を加えずに抗菌性を獲得するチタンインプラント材料の開発とともに、このナノ表面形態デザインの原理を応用することで、様々な材質で物理的抗菌性ナノパターン材料の開発が期待できます。

本研究成果は、2024年11月22日に科学誌Material Today Bioのオンライン版に掲載されました。

図1. 異方性チタンナノ表面が示すメカノ殺菌機序を示す模式図

【論文情報】

タイトル: Anisotropic patterns of nanospikes induces anti-biofouling and mechano-bactericidal effects of titanium nanosurfaces with electrical cue
著者: Eiji Kato, Masahiro Yamada*, Eitoyo Kokubu, Hiroshi Egusa, Kazuyuki Ishihara
*責任著者: 東北大学大学院歯学研究科 准教授 山田将博
掲載誌: Material Today Bio
DOI: 10.1016/j.mtbio.2024.101352

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院歯学研究科
分子?再生歯科補綴学分野
准教授 山田 将博(やまだ まさひろ)
Email: masahiro.yamada.a2*tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

東北大学大学院歯学研究科
分子?再生歯科補綴学分野
教授 江草 宏(えぐさ ひろし)
Email: egu*tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学大学院歯学研究科
広報室
電話: 022-717-8260
Email: den-koho*grp.tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

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