2024年 | プレスリリース?研究成果
遺伝子変異とタンパク質の立体構造をつなぐ新しいポータルサイトを公開! ~創薬への応用に期待~
【本学研究者情報】
〇東北メディカル?メガバンク機構 副機構長 教授 木下賢吾
東北メディカル?メガバンク機構ウェブサイト
【発表のポイント】
- 日本人遺伝子変異情報とタンパク質の配列?立体構造情報をつなぐ新しいポータルサイトを構築し、日本蛋白質構造データバンク(PDBj)の新しいサービスとして公開。
- 新しいポータルサイトは、国立大学法人東北大学 東北メディカル?メガバンク機構(ToMMo)が構築している日本人多層オミックス参照パネル(jMorp)収録の遺伝子変異をタンパク質の立体構造上に簡単に表示できるツールを実装。これまで必要だった変異とタンパク質の立体構造を対応づける複雑な作業が不要に。
- タンパク質立体構造情報と遺伝子変異情報の創薬への応用が加速することに期待。
【概要】
国立大学法人大阪大学 蛋白質研究所 日本蛋白質構造データバンク(Protein Data Bank Japan :PDBj 代表 栗栖源嗣教授)※1と国立大学法人東北大学 東北メディカル?メガバンク機構(ToMMo 機構長 山本雅之教授)※2は、日本人遺伝子変異情報とタンパク質配列?立体構造情報をつなぐポータルサイトを構築し、PDBjの新しいサービスとして公開しました(https://pdbj.org/uniprot/)。
新しいポータルサイトには、ToMMoが構築している日本人多層オミックス参照パネル(jMorp:Japanese Multi Omics Reference Panel 代表 木下賢吾教授)※3収録の遺伝子変異へのリンクが掲載されているだけでなく、変異をタンパク質の立体構造上に簡単に表示するツールも実装しています。遺伝子変異とタンパク質の立体構造の対応づけは、煩雑な作業が必要ですが、今回開発したポータルサイトにより、簡単に対応関係を調べることができるようになりました。
タンパク質立体構造情報と遺伝子変異情報の医学?創薬への利用を加速し、新たな治療標的の発見や治療方法の開発に役立つことで、プレシジョンメディシンの進展につながると考えられます。
図2. 日本人の遺伝子変異とタンパク質の配列?構造をつなぐ新しいポータルサイト(例 UniProt ID: P20813) jMorpに収録されている変異箇所を立体構造上で簡単に確認できる配列パネルと立体構造パネル、新しい品質スコアに基づいた構造のランキングを示すパネルなどで構成されている。
【用語解説】
※1.日本蛋白質構造データバンク(Protein Data Bank Japan :PDBj 代表 栗栖源嗣教授)
URL: https://pdbj.org/
日本蛋白質構造データバンク(PDBj: Protein Data Bank Japan)は、2000年に大阪大学蛋白質研究所に共同利用?共同研究拠点活動を担う組織として設置されました。20年にわたりアジア?中東地区からのタンパク質や核酸の立体構造情報を収集?編集?登録し、米国RCSB、BMRBおよび欧州 PDBeと協力して、国際的に統一化された一つの蛋白質構造データベース(PDB)として全データを大阪大学から世界に発信しています。
※2. 東北大学東北メディカル?メガバンク機構(ToMMo 機構長 山本雅之教授)
URL: https://www.megabank.tohoku.ac.jp/
東日本大震災からの復興と、個別化予防?医療の実現を目指し2012年に設立された組織で、岩手医科大学いわて東北メディカル?メガバンク機構とともに、東北メディカル?メガバンク計画を推進しています。東北メディカル?メガバンク計画は、2013年より合計15万人規模の地域住民コホート調査および三世代コホート調査等を実施して、試料?情報を収集したバイオバンクを整備しています。さらにバイオバンクの試料?情報を産学問わず利活用できるよう、仕組みの整備、データベースの構築などを行っています。本計画については、2015年度より、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)が研究支援担当機関の役割を果たしています。
※3. 日本人多層オミックス参照パネル(jMorp:Japanese Multi Omics Reference Panel 代表 木下賢吾教授)URL: https://jmorp.megabank.tohoku.ac.jp/
日本人多層オミックス参照パネル(Japanese Multi Omics Reference Panel:jMorp)は、東北 大学 東北メディカル?メガバンク機構 (ToMMo) が、 東北メディカル?メガバンク計画におけるコホート調査にご参加いただいた方のゲノム?オミックスデータを解析し、その統計データを公開しているウェブサイトです。jMorp は、2015年7月にメタボローム?プロテオームデータの解析結果を公開するデータベースとして誕生し、その後、毎年アップデートを行い、ゲノム?トランスクリプトーム?メタゲノムなどのデータを追加し、現在に至ります。
問い合わせ先
東北大学東北メディカル?メガバンク機構
広報戦略室
TEL:022-717-7908
E-mail:tommo-pr*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
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