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単一生体分子の温度による微細な構造変化を解析する新たな一分子計測技術を開発

【本学研究者情報】

〇流体科学研究所 准教授 馬渕拓哉
研究室ウェブサイト

【概要】

長岡技術科学大学 産学融合トップランナー養成センター 山崎洋人産学融合特任講師、工学専攻 機械工学分野 海藤光太(研究当時:修士課程2年生)、 松田杏介(研究当時:修士課程2年生)、機械創造工学課程 加藤拓(研究当時:4年生)、東北大学 流体科学研究所 馬渕拓哉准教授、東京大学 大学院理学系研究科 上村想太郎教授らの研究グループは、単一タンパク質の温度による微細な構造状態の変化を解析する新たな一分子計測技術を開発しました。これは、従来型よりも検出感度の高い「非対称薄型ナノポア」の加工技術と、レーザー加熱による温度コントロール技術である「ナノポアサーモスコピー法」を組合せることで初めて実現しました。この技術を用いて構造中間状態にあるシトクロムc1を解析したところ、温度上昇に伴いαヘリカル構造2の変性が促進されることが示唆され、本技術の有効性が実証されました。この新たな技術は、温度によるタンパク質の構造変化の解析のみならず、翻訳後修飾によるタンパク質、修飾塩基によるDNA?RNA分子などの構造状態の解析にも応用が可能で、生命現象の理解を進めるための有力な解析ツールとして期待されます。本研究成果は、米国化学会「Nano Letters」に掲載されました。

図1 a) 非対称薄型ナノポアの加工時の電流波形、b) 非対称薄型ナノポアを用いたタンパク質(シトクロムc)の検出

【用語解説】

注1:シトクロムc
細胞のエネルギー生産において重要なタンパク質です。そのため、古くから構造が調べられているタンパク質であり、開発技術を評価する上で最適なタンパク質です。

注2:αヘリカル構造
タンパク質を構成する構造のひとつであり、右巻きらせん構造をとります。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学 流体科学研究所 准教授
馬渕拓哉(まぶち たくや)
Tel: 022-217-5225
Email: mabuchi*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学流体科学研究所
広報戦略室
TEL:022-217-5873
Email:ifs-koho*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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