2024年 | プレスリリース?研究成果
東北大学スマート?エイジング学際重点研究センターとカーブスジャパン 「タンパク質の網羅解析によってサーキットトレーニングが認知機能、腸内細菌、心理指標に 与える影響に関するメカニズムを包括的に解明する研究」を開始
【本学研究者情報】
〇スマート?エイジング学際重点研究センター センター長?瀧靖之 助教?曽我啓史
研究室ウェブサイト
【発表のポイント】
- 先行研究により、習慣的な運動が認知機能(脳の健康)、腸内細菌(腸の健康)、メンタルヘルス(心の健康)に有益な影響を与えることが示されていますが、そのメカニズムは未だ明らかになっていません。 これらの健康には、血中タンパク質解析によって判明する因子(炎症、免疫、加齢制御因子)が関与していると推測されます。そこで、本研究では約千種類にわたるタンパク質の解析により、運動の有益な効果を支持するメカニズムを明らかにする研究を行います。
- 腸と脳には強い結びつき(腸脳相関)があると言われています。 本研究では、運動によって変化する腸内細菌が認知機能に与える影響について明らかにします。
- 運動、タンパク質、腸内細菌、認知機能、心理指標といった包括的な指標から、それぞれの関連を明らかにすることで、加齢に伴う認知機能低下の抑制につながる関係性を明らかにします。
【概要】
高齢化の一途を辿る我が国を含めた先進国において、加齢に伴う認知機能低下の改善?予防を講じる必要性が年々高まっています。加齢に伴う認知機能低下として、65歳以上になると約4人に1人が認知症または軽度認知障害を有しており、7人に1人が認知症を有していると言われています。このような現状において、加齢に伴う認知機能低下の抑制に対しては、習慣的な運動が有効であるというエビデンスが蓄積されています。
東北大学と株式会社カーブスジャパンは共同研究において、サーキットトレーニングによって「実行機能」や「記憶機能」が向上することを明らかにしています(次項【これまでの共同研究に関する成果】を参照)。
「実行機能」とは、定めた目標に対して思考や行動の制御を行う脳の高次機能です。「記憶機能」は、我々の健全な生活を支えていくために必要となる脳機能であるとともに、加齢に伴う軽度認知障害や認知症において低下してしまう脳機能です。
高齢化の一途を辿る我が国おいて、認知機能改善につながる取り組みは急務となっており、カーブスが提供している「筋力トレーニング」、「有酸素運動」、「ストレッチ」を組み合わせたサーキットトレーニングは、我が国が抱える高齢化に伴う問題の解決の糸口になると考えられます。
これまで、様々な研究機関との共同研究によって、カーブスが提供しているサーキットトレーニングは、上述した認知機能改善に加えて、生活習慣病の予防(血圧?血糖値の低下傾向)、体脂肪量の減少、筋力増加、2型糖尿病の予防効果、身体活動量の増加、心肺機能の向上、疼痛改善による日常生活機能の向上といった様々な効果が検証されています。
問い合わせ先
(報道に関すること)
東北大学大学院加齢医学研究所
スマート?エイジング学際重点研究センター
助教 曽我啓史
TEL: 022-717-8824
Email: keishi.soga.b4*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
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