2022年 | プレスリリース?研究成果
色覚刺激による心身パフォーマンス改善の謎に迫る ‐フィジカルサポートカラー®の色覚刺激の身体影響の解明に着手-
【本学研究者情報】
〇大学院医工学研究科 教授 永富良一
研究室ウェブサイト
【発表のポイント】
- 特定の色覚刺激が心身のパフォーマンスに影響することは以前より知られていたが、その仕組みは不明のままである。
- 国立大学法人東北大学大学院医工学研究科、株式会社Innochi、エスエイビジョン株式会社、三井化学ファイン株式会社は、「メガネレンズの色覚刺激が運動機能調整能力に及ぼす効果」について4者共同研究契約を締結し、研究を開始した。
- 「メガネレンズの色覚刺激が運動機能調整能力におよぼす効果検証」について、2年間の共同研究を行う。
【概要】
目からの刺激、特に色覚刺激は、私達の生活の大きな部分に関わっています。以前より、水泳やサイクリングのようなスポーツ競技では、特定の色のゴーグルやカラーレンズよってパフォーマンスが向上すること、個々人に一番適している色があることは、以前から知られていました。アスリートでない普通の人々においても、特定の色のメガネをかけると、気持ちが落ち着いたり、バランス機能が改善したりすることが報告されています。さらに、発達障害を持つ方において、特定の色のメガネをかけることで、気が散らなくなったり、学習の障害が改善されたりすることが明らかになりつつあります。しかし、この様な色覚刺激が心身に与える影響については、まだ多くのことが分かっていません。
国立大学法人東北大学大学院医工学研究科(兼 医学系研究科) 永富良一教授は、株式会社Innochi(所在地:兵庫県淡路市、代表:灰谷孝、以下Innochi)、エスエイビジョン株式会社(所在地:大阪府大阪市、代表取締役社長:岡部隆幸、以下エスエイビジョン)、三井化学ファイン株式会社(所在:東京都中央区、代表取締役社長:西山泰倫、以下三井化学ファイン)と「メガネレンズの色覚刺激が運動機能調整能力に及ぼす効果」について4者共同研究契約を締結し、研究を開始しました。
Innochiは、カラーレンズの色調により運動調節機能が異なる可能性に着目して「イノチグラス」という概念を提案し、身体機能を強化する事業を創業しています。エスエイビジョンは、さまざまな色調のカラーレンズを提供し、イノチグラスの概念から導かれたフィジカルサポートカラー?を実装したメガネ製品を販売しています。三井化学ファインは、三井化学グループが保有するビジョンケア材料の知見を活用し、フィジカルサポートカラー?を含む新たなソリューションを展開しています。
今回の共同研究は、個人に適した色調による運動調節機能の影響について科学的なエビデンスを検証することを目的にしています。東北大学大学院医工学研究科が得意とする「動き」の評価とその質の向上?低下に関わるメカニズム解析を介して、フィジカルサポートカラー?の医工学的検証を行います。
フィジカルサポートカラー?のカラーレンズ
(イノチグラスは目の得意?不得意をサポートするカラーを選ぶ)
問い合わせ先
(研究に関すること)
東北大学大学院医工学研究科健康維持増進医工学分野/医学系研究科運動学分野
教授 永富 良一(ながとみ りょういち)
電話番号:022-717-8586
Eメール:nagatomi*med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(取材に関すること)
東北大学大学院医工学研究科
Eメール:bme-pr*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
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