2021年 | プレスリリース?研究成果
土壌中の休眠微生物?ウイルスが表出するメカニズム解明に期待 ~微生物の発酵によるブラジルナッツ効果の発見~
【本学研究者情報】
〇大学院工学研究科 准教授(ディスティングイッシュトリサーチャー) 菊地謙次
研究室ウェブサイト
【発表のポイント】
- 微生物の発酵時の発泡によるブラジルナッツ効果を発見
- 水環境において沈殿した粒子が表面上に再浮上するメカニズムを力学的に解明し、可視化に成功
- 休眠した微生物やウイルスの再興、未知の病原体が表出するメカニズム解明に期待
【概要】
大きさが異なる粉粒体の混合物に振動を与えると、大きな粒子が浮上し、小さい粒子が沈降する物理現象は"ブラジルナッツ効果"として知られていますが、このメカニズムについてはまだ明らかになっておりません。粒子の比重(重さ)や体積(大きさ)、浮力や重力などの物理的な要因によって説明される「粒子の対流」と「粒子の潜り込み」の二つの有力な説が提唱されており、隕石の衝突での微粒子飛散や地震後の土壌液状化現象など非平衡散逸系物理現象として注目されている現象です。
東北大学の研究グループのAtul Srivastava博士(研究当時、大学院医工学研究科に在学)、菊地謙次准教授(大学院工学研究科)、石川拓司教授(大学院医工学研究科)らは、水中において酵母の発酵時の炭酸ガスの発泡によって微粒子内に沈降した物体が重力に逆らって浮上する、微生物由来のブラジルナッツ効果を発見しました。本研究では、湖底や河底、海底などの土壌が堆積した環境下で、土壌を流動化し、「粒子の潜り込み」によって埋没した物体が水面へと浮上する物理現象の可視化計測に成功しました。この成果は、土壌中に休眠した微生物やウイルスの再興、未知の病原体が表出するメカニズムの解明に貢献すると考えられます。
本研究成果は、2021年10月6日に、Soft Matter誌の電子版に掲載されました。
同誌裏表紙として採択されたアートワーク
問い合わせ先
(研究に関すること)
東北大学大学院工学研究科ファインメカニクス専攻
東北大学高等研究機構
准教授(東北大学ディスティングイッシュトリサーチャー)
菊地 謙次
TEL:022-795-5029
FAX:022-795-6959
Email:k.kikuchi*tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)
(報道に関すること)
東北大学大学院工学研究科情報広報室
担当 沼澤 みどり
TEL:022-795-5898
Email:eng-pr*grp.tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)
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