2021年 | プレスリリース?研究成果
電解水素水飲用でインスリン抵抗性高値を改善 2型糖尿病患者の病態改善に期待
【本学研究者情報】
〇高度教養教育?学生支援機構 准教授 小川晋
東北大学研究者紹介
【発表のポイント】
- 2型糖尿病注1患者において、電解直後の電解水素水を3か月に渡って日常飲用することで、インスリン抵抗性注2が改善されることを多施設共同前向き無作為割付二重盲検試験で確認した。
- 副作用はまったく観察されず、2型糖尿病患者でも安全に日常利用できる。
- 糖尿病治療の基本戦略の一つである食事療法に取り入れやすい。
【概要】
2型糖尿病患者においては、インスリン抵抗性を改善するために、食事療法や運動療法が推奨されており、必要に応じて投薬治療も行われています。しかしながら、インスリン抵抗性を改善することはなかなか困難とされています。そのため、日々簡単に実行できるインスリン抵抗性改善方法の確立が重要な課題となっています。
東北大学高度教養教育?学生支援機構 学生支援開発部門 臨床医学開発室 小川晋 准教授(研究当時 東北大学大学院医学系研究科)らのグループは、2型糖尿病患者が電解水素水を日常的に飲用することでインスリン抵抗性高値に改善効果があることを明らかにしました。本研究は、電解水素水飲用によるインスリン抵抗性の改善を初めて明らかにした重要な報告です。本研究によって、2型糖尿病患者の治療戦略に貢献することが期待されます。
本研究成果は、2021年7月18日にDiabetology International誌(電子版)に掲載されました。
本研究は、株式会社日本トリムとの共同研究費の支援を受けて行われました。
【用語解説】
注1. 2型糖尿病:自己抗体により膵β細胞が障害されてインスリン分泌が枯渇する1型糖尿病に対して、インスリン抵抗性によりインスリン必要量が増大しその必要量が賄えなくなって血糖が上昇する糖尿病を2型糖尿病と言います。
注2.インスリン抵抗性(HOMA-IR):計算式(空腹時インスリン値(?U/ml)×空腹時血糖値(mg/dl)÷405)で算出されるインスリン抵抗性の指標。インスリン抵抗性が高い状態では、血液中の糖を細胞内に取り込む機能を持つインスリンの機能が低下しており、血液中の糖の濃度が高い状態が続き易い。
問い合わせ先
(研究に関すること)
東北大学高度教養教育?学生支援機構
学生支援開発部門 臨床医学開発室
准教授 小川 晋(おがわ すすむ)
電話番号:022-795-7551
Eメール:ogawa-s*hosp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(取材に関すること)
東北大学大学院医学系研究科?医学部広報室
電話番号:022-717-8032
FAX番号:022-717-8187
Eメール:press*pr.med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)