2021年 | プレスリリース?研究成果
Beyond 5Gに資する低環境負荷な物質?デバイス商用化技術の創出 Society 5.0 for SDGsに資するキーテクノロジー
【本学研究者情報】
〇本学代表者所属?職?氏名:電気通信研究所?准教授?吹留 博一
研究室ウェブサイト
【発表のポイント】
- 低環境負荷で5Gよりも一桁高いテラヘルツ(THz)帯で動作し得るグラフェン?トランジスタ(※1)は、 Beyond 5Gに資するデバイスの一つです。
- 新たな超高品質グラフェン成長技術を創出し、従来に比してコストを大幅に削減させることを可能にし、さらにTHz帯で動作するGFETの大量生産を可能にする商用的な製造技術を開発しました。
- 本研究で創出した技術は、グラフェンだけでなく、5GやBeyond 5G用のSiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)を用いたパワー?高速トランジスタへの転用も可能です。
【概要】
次世代無線通信システム(Beyond 5G)は、来るべき社会、持続可能性を担保しつつ、必要な人に必要なモノ?サービスが必要なだけ届く快適な社会(Society 5.0 for SDGs(※2)、一般社団法人 日本経済団体連合会(経団連)提唱)の基盤インフラとなるものです。
本研究グループは、グラフェンを用いた低環境負荷かつ超高速なデバイスの革新的な製造法を創出しました。本法は世界最高水準品質を保ちつつコストを1/100以下にすることを可能にし、さらに、グラフェン?デバイスが従来抱えていた弱点を克服することでBeyond 5Gに不可欠なTHz帯で動作するデバイスの商用化を可能にするものです。
本研究は、東北大学電気通信研究所の吹留博一准教授らの研究グループと信越化学工業、高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所、高輝度光科学研究センター、情報通信研究機構(NICT)との産官学連携共同研究の成果です。
本研究成果は、2月4日にMDPIの科学誌「Nanomaterials」に掲載されました(オープン?アクセス)。
本研究成果の概略を表す図
【用語解説】
※1 グラフェン
2004年に発見された単原子層厚みの炭素の二次元結晶。グラフェンは、優れた特性(例:Siの100倍にも達する、全物質中最高のキャリア移動度)を有することに加えて、炭素原子のみから構成されることから低環境負荷です。
※2 Society 5.0 for Sustainable Development Goals(SDGs)
少子高齢化や地球環境問題などを解決するために、日本経済団体連合会が提唱したあるべき未来社会。すなわち、国際連合が提唱する持続開発目標(SDGs)を達成して人類社会の持続可能性を担保しつつ、軽労化を実現し、必要な人に必要なモノ?サービスが必要なだけ届く快適な社会(Society 5.0)です。
問い合わせ先
<研究に関すること>
東北大学電気通信研究所
准教授 吹留 博一
TEL/FAX: 022-217-5484
E-mail: fukidome*riec.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
東北大学多元物質科学研究所
教授 組頭 広志
TEL: 022-217-5802
E-mail: kumigashira*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
<報道に関すること>
東北大学電気通信研究所
総務係
TEL: 022-217-5420
E-mail: somu*riec.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
東北大学多元物質科学研究所
広報情報室
TEL: 022-217-5198
E-mail: press.tagen*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)