2018年 | プレスリリース?研究成果
特定のウイルスに感染した後、呼吸器感染症のリスクが上昇することを発見
【発表のポイント】
- フィリピンでの疫学調査によって、アデノウイルス?インフルエンザウイルス?パラインフルエンザウイルス?ライノウイルスに感染した小児は、その後呼吸器感染症に罹患するリスクが高まることがわかった。
- これらのウイルスに感染した小児に対する重点的なケアの必要性や、これらのウイルスに対するワクチン戦略を考えるうえで、重要な知見である。
【研究概要】
東北大学大学院医学系研究科微生物学分野の押谷仁(おしたに ひとし)教授と京都大学ウイルス?再生医科学研究所の古瀬祐気(ふるせ ゆうき)特定助教らのグループは、フィリピン国熱帯医学研究所と共同研究を行い、特定のウイルスに罹患したのちに呼吸器感染症のリスクが高まることを報告しました。これまでに知られていなかった呼吸器感染症の危険因子が明らかになった重要な報告であり、より効果的な患者ケアや疾患予防のための公衆衛生的な対策へと貢献することが期待されます。
本研究成果は、2018 年 9月5日 The Journal of Infectious Diseases(電子版)に掲載されました。本研究は、日本医療研究開発機構(AMED)感染症研究国際展開戦略プログラム(J-GRID)「フィリピン感染症研究拠点における国際共同研究の推進(課題番号 JP18fm0108013)」および地球規模課題対応国際科学技術協力事業(SATREPS)「小児呼吸器感染症の病因解析?疫学に基づく予防?制御に関する研究(課題番号 JP16jm0110001)」、国際協力機構(JICA)(SATREPS)、日本学術振興会科学研究費補助金(課題番号 16H02642)、卓越研究員事業(課題番号 16809810)の支援を受けて行われました。
問い合わせ先
(研究に関すること)
東北大学大学院医学系研究科微生物学分野
教授 押谷 仁(おしたに ひとし)
電話番号: 022-717-8211
Eメール: oshitanih*med.tohoku.ac.jp (*を@に置き換えてください)
(取材に関すること)
東北大学大学院医学系研究科?医学部 広報室
電話番号:022-717-7891
FAX番号:022-717-8187
Eメール:pr-office@med.tohoku.ac.jp