2017年 | プレスリリース?研究成果
光で磁石の性質を消す ~磁石の起源を担う力が光で正反対となる原理~
発表のポイント
- 磁石に光をあてることで、電子スピンの配列を反対向きにして磁石の性質を瞬時に失わせる原理を解明することに成功
- 発見以来半世紀以上、磁石の性質を担うと考えられていた力が、光をあてることで正反対の性質を示すことを発見
- スピントロ二クス分野において、高速で双方向なスピン制御への貢献が期待される
概要
東北大学大学院理学研究科物理学専攻の石原純夫教授らの研究グループは、金属磁石に強い光をあてることで、全ての電子のスピンが同じ向きに揃った配列から互い違いに逆向きの配列となり、瞬時に磁石としての性質を失うことを理論計算シミュレーションにより示すことを成功しました。
本研究の成果は、2017年11月14日(米国東部時間)オンライン版に公開、11月17日発行の米国物理学会誌Physical Review Lettersに受理され、エディター推薦論文として選ばれました。
光をあてることで平行なスピン配列を反平行に変える。
論文情報
雑誌名:Physical Review Letters (Editors' Suggestion)(フィジカル?レヴュー?レターズ(エディター推薦))
論文タイトル:Double-Exchange Interaction in Optically Induced Nonequilibrium State: A Conversion from Ferromagnetic to Antiferromagnetic Structure(光誘起非平衡状態における二重交換相互作用:強磁性構造から反強磁性構造への変換)
著者:Atsushi Ono and Sumio Ishihara(小野淳、石原純夫)
DOI番号:doi.org/10.1103/PhysRevLett.119.207202
参考図
磁石に強いレーザーを当てることで、スピンの向きが反平行となり、磁石としての性質が瞬時に失われる。矢印は電子スピンの向きを表す。
問い合わせ先
<研究に関すること>
東北大学大学院理学研究科物理学専攻
教授 石原 純夫(いしはら すみお)
電話:022-795-6436
E-mail:ishihara*cmpt.phys.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
<報道に関すること>
東北大学大学院理学研究科
特任助教 高橋 亮(たかはし りょう)
電話:022-795-5572、022-795-6708
E-mail:sci-pr*mail.sci.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)