2017年 | プレスリリース?研究成果
アスパラガスの全ゲノム構造を解明 アスパラガスの性決定遺伝子が明らかに
発表のポイント
- 重要な農作物の1つであるアスパラガスの全ゲノム構造を明らかにした。
- アスパラガスは個体によって雌雄が分かれている雌雄異株植物で、性染色体によって性が決まっている(雄XY型、雌XX型)。本研究により、おしべ形成の促進に関わる遺伝子とめしべ形成の抑制に関わる遺伝子がアスパラガスの性決定遺伝子であることが明らかとなった。
- 本研究成果は植物の雌雄性がどのように進化してきたかを解明するための大きな一歩となるだけでなく、アスパラガス品種の育成に大きく貢献することが期待される。
概要
東北大学大学院生命科学研究科の菅野明准教授は、米国?ジョージア大学(A. ハーケス博士、J. レーベンスマック教授)、オランダ?リムグループ(R. ファン デア フルスト博士、P. ラブリーセン博士)、中国?南昌野菜花き研究所(C.ガンギュ博士)をはじめとする23の大学?研究機関で構成される国際共同研究に日本で唯一の機関として参加し、アスパラガスの全ゲノム構造を解明しました。
アスパラガスは1対の性染色体によって性が決まっており(雄:XY型、雌:XX型)、個体によって雌雄が分かれている雌雄異株植物です。遺伝学的な解析からアスパラガスの雌雄性はY染色体上の1遺伝子座によって決まっていることが分かっていました。本研究により、アスパラガスの性決定遺伝子座の構造が明らかとなり、おしべ形成の促進に関わる遺伝子(TDF1)とめしべ形成の抑制に関わる遺伝子(SOFF)がアスパラガスの性決定遺伝子であることが解明されました(図)。
本研究は、植物の雌雄性がどのように進化してきたかを解明する上で非常に重要な研究であるだけでなく、アスパラガスは重要な農作物の1つであることから、アスパラガス品種の育成に大きく貢献することが期待されます。
本研究成果は、2017年11月2日付で国際科学雑誌Nature Communications電子版に掲載されました。
図 アスパラガスにおける性決定の分子機構。
問い合わせ先
(研究に関すること)
東北大学大学院生命科学研究科
担当 菅野 明(かんの あきら)
電話番号:022-217-5725
Eメール:kanno*ige.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(報道に関すること)
東北大学大学院生命科学研究科広報室
担当 高橋 さやか(たかはし さやか)
電話番号:022-217-6193
Eメール:lifsci-pr*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)