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カーボンナノチューブの新たな原子構造制御法開発 ナノチューブ電子デバイスの実用化に大きな期待

発表のポイント

  • カーボンナノチューブの原子構造を制御する新たな合成手法を開発。
  • 従来手法では合成できなかった種類のナノチューブ((6,4)ナノチューブ)の選択合成に世界で初めて成功。
  • ナノチューブを利用した超高性能次世代電子デバイスの実用化に向けて最大の問題とされている、素子ごとの特性ばらつきを大幅に解消できる可能性。

概要

 東北大学大学院工学研究科電子工学専攻の加藤俊顕准教授、許斌(同大学院生、日本学術振興会特別研究員)、金子俊郎教授らのグループは、東京大学澁田靖准教授との共同研究により、将来のエレクトロニクス分野における新素材として大きな注目を集めているカーボンナノチューブの新たな構造制御法の開発に成功しました。

 カーボンナノチューブは優れた基礎物性を持つことが多くの研究により明らかにされてきましたが、原子レベルのわずかな構造の違いにより物性が大きく異なることから、原子レベルでの構造制御手法の開発が産業応用に向け重要な問題とされてきました。

 本研究では、ナノチューブの成長に必須である触媒金属において、その表面状態を精密に制御する手法を開発し、これによりナノチューブの最も重要な構造因子であるカイラリティが制御できることを発見しました。また触媒表面状態がカイラリティ選択性に与える効果を実験と理論計算を組み合わせ明らかにしました。さらに本手法により、従来手法では不可能であった(6,4)ナノチューブの高純度合成に世界で初めて成功しました。(6,4)ナノチューブはこれまで選択合成が報告されているナノチューブの中で最も広いバンドギャップ、及び最も高い量子効率をもつことから次世代の光電子デバイスに向け大きな貢献が期待できます。

 本研究成果は、2017年9月11日18時(日本時間)に英国科学雑誌Scientific Reports(電子版)に掲載されました。

図 触媒表面状態制御法により選択合成した(6,4)ナノチューブ

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院工学研究科 
担当 准教授 加藤俊顕(カトウ トシアキ)
電話:022-795-7046
E-mail:kato12*ecei.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道担当)
東北大学大学院工学研究科 情報広報室
電話:022-795-5988
E-mail:eng-pr*eng.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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