2017年 | プレスリリース?研究成果
?電子の対を自在に制御?磁場と相性の良い超伝導のメカニズムを解明
研究のポイント
- 強磁性と超伝導が共存するウラン化合物UCoGeの非従来型超伝導のメカニズム、および特異な磁場応答は、これまで大きな謎だった。
- 磁場を加える方向によって超伝導を担う電子の対が強められたり弱められたりすることが、極限環境下の物性実験によって明らかとなった。
- 磁場に対して強い超伝導の発現機構が解明されたことで、新奇な非従来型超伝導の発見、新たな超伝導材料の開発につながる。
問い合わせ先
東北大学金属材料研究所の青木大教授は、CEA-Grenoble(フランス原子力庁)の研究員ジャンパスカル?ブリゾン(Jean-Pascal Brison)、博士学生ベイルン?ウ(Beilun Wu)らとともに、ウラン化合物強磁性体UCoGeの超伝導発現機構を解明しました。
超伝導を担っている電子間の対の強さが、磁場とともに大きく変化し、磁場を加える方向によって強められたり弱められたりすることが分かりました。その結果、特定の方向では、磁場によって超伝導が強化されるという、これまでの常識をくつがえす現象が起きていることが分かりました。
本研究により新しいタイプの超伝導発現機構が明らかになったことで、今後さらに非従来型の超伝導体が見つかることが期待されます。また、磁場に強い超伝導材料が開発されることで、超伝導を利用した新たな製品開発につながることが期待されます。
本研究の成果は、2017年2月23日(日本時間)付英科学誌「Nature Communications」に発表されました。
磁場によって安定化する強磁性超伝導体UCoGeの相図。磁場を加えると超伝導電子対が強められる。
問い合わせ先
〈研究内容に関して〉
東北大学金属材料研究所 附属量子エネルギー材料科学国際研究センター
教授 青木 大(あおき だい)
Tel: 029-267-3181 Fax: 029-267-4947
E-mail: aoki*imr.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
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東北大学金属材料研究所 情報企画室広報班
横山 美沙 (よこやま みさ)
Tel: 022-215-2144 Fax: 022-215-2482
E-mail: pro-adm*imr.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)