2017年 | プレスリリース?研究成果
破損やアレルギーの懸念が少ない脊椎内固定器具 製造販売承認を取得-「いわて発高付加価値コバルト合金:COBARION?」の新たな実用化例
発表のポイント
- 「いわて発高付加価値コバルト合金:COBARION?」を用いた脊椎内固定器具が、日本国内で初めて医療機器製造販売承認を受けた。
- 「COBARION?」は千葉晶彦教授らの研究グループが開発した合金で、金属アレルギーの原因となるニッケルを極限まで低減し「人体に優しい」ことが特徴。
- 「COBARION?」を用いた脊椎内固定器具の普及により、折損やアレルギーの懸念が少ないより安全な治療が期待される。
概要
国立大学法人東北大学金属材料研究所の千葉晶彦教授、山中謙太助教ら研究グループが開発した「いわて発高付加価値コバルト合金:COBARION?」を用いた脊椎内固定器具が、医療機器製造販売承認を受けました。コバルト合金は、強さと硬さ、そして優れた耐食性?耐摩耗性を兼ね備えていることから、人工関節や歯科材料等、様々な医療用デバイス、インプラントに使用されています。今回器具に使用した「COBARION?」はヒトの金属アレルギーの主原因ともいわれるニッケルの含有量を極限まで低減したため、アレルギーの懸念が少ない金属素材であることが最大の特徴です。今回の販売認証を受け、今後「COBARION?」の生体材料としての使用拡大が期待されます。
本研究開発は厚生労働省「革新的医療機器創出促進等臨時特例交付金」を財源に、東北大学金属材料研究所、岩手医科大学、センチュリーメディカル株式会社が参画した「岩手県革新的医療機器等開発事業」を通して行われました。
開発された脊椎内固定器具には株式会社エイワで製造されたコバルトクロム合金素材(COBARION?)が用いられています。
今回販売承認された脊椎内固定器具(写真提供:センチュリーメディカル株式会社)
問い合わせ先
〈研究内容に関して〉
東北大学金属材料研究所 加工プロセス工学研究部門
助教 山中 謙太
TEL:022-215-2118
FAX:022-215-2116
Email:k_yamanaka*imr.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
〈報道に関して〉
東北大学金属材料研究所 情報企画室広報班
横山 美沙
TEL:022-215-2144
FAX:022-215-2482
Email:pro-adm*imr.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)