2015年 | プレスリリース?研究成果
シルク電極によるさりげないバイタルセンシング 大学発医療系ベンチャー
国立大学法人東北大学(総長:里見進)は、シルクを基材とした肌に優しい電極の開発に成功しました。そして、これを応用した医療機器の開発を図ることで地域の活性化と発展を目指すベンチャー企業を新たに設立いたしました。
本件は、本学大学院工学研究科鳥光慶一教授の研究成果を基に起業化され、エーアイシルク株式会社(代表取締役:岡野秀生)として6月より活動を開始致しております。現在までに経済産業省 創業?第二創業補助金、および復興庁の被災地域企業新事業ハンズオン支援事業、みやぎ産業振興機構の支援を受けてビジネス展開を図ってきたところですが、この度、10月23日に国立研究開発法人新エネルギー?産業技術総合開発機構(NEDO)の「研究開発型ベンチャー支援事業/シード期の研究開発型ベンチャーに対する事業化支援」プログラム(助成額最大7,000万円)に交付予定先として採択され、また今後、米国大手のベンチャーキャピタルDraper Nexus Venture Partnersからの資金調達も予定しています。
なお、本件は、12月9日の東北大学イノベーションフェア、および来年1月13日?15日のウェアラブルEXPOにて出展/紹介する予定です。
詳細
シルク電極は、シルク素材と電気を通す導電性高分子を組み合わせることで電気計測を可能とする導電性の素材として作り上げたものであり、普段身につけるシルク素材の肌触り、着心地の良さから着用感を意識せず使用できるバイタルセンシング用電極として、あるいは刺激用電極として衣服に組み込んだ形で使用することを検討しています。その活用領域は介護を含むヘルスケア分野からリハビリ、臨床までの幅広い分野に広がり、その活用によるさらなる発展が期待できます。
さらに、本技術は我が国の養蚕業から始まり、撚糸、繊維加工に至るまでの幅広い分野の技術にも支えられており、単なる電気計測?刺激に留まらず、伝統的技術との融合も始まっていることから、新たな産業展開への期待も高まります。これにより今回の起業は、海外からの投資を得ることで世界に誇る(広がる)我が国の技術による市場開拓を通して、広く社会へ知の還元を図るとともに東北地方における新たな価値の創造及び雇用を促進し、復興に貢献することを目指しております。
鳥光教授は、平成24年度より文部科学省「地域イノベーション戦略支援プログラム(東日本大震災復興支援型)」知と医療機器創生宮城県エリア招聘研究員でもあり、今回の起業は本プログラムの目標である医療機器開発拠点創生事業の医療応用を目指すものとして今後の発展が期待されます。現在、先立って組織したフレキシブルシルク電極研究会(代表:鳥光慶一)とも連携を図り東北撚糸株式会社(代表取締役:金井史朗)など地元企業の方々や公立機関などとの交流を深め、医療機器開発拠点創生に向けた展開を行っております。
参考
問い合わせ先
東北大学大学院工学研究科 バイオロボティクス専攻
教授 鳥光 慶一
TEL:022-795-5833
E-mail:torimitu*biomems.mech.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
東北大学大学院工学研究科情報広報室
TEL:022-795-5898
E-mail:eng-pr*eng.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)