2012年 | 受賞?成果等
金属材料研究所の安藤和也助教が科学技術分野の文部科学大臣表彰 若手科学者賞を受賞しました
このたび、平成24年度科学技術分野の文部科学大臣表彰において、安藤和也助教(金属材料研究所量子表面界面科学研究部門)が「若手科学者賞」を受賞しました。
業績名:スピンホール効果を用いたスピン流物性の研究
業績内容:
スピン流はスピン角運動量の交換により磁化と強く結合し、ナノ領域において電流?スピン流?磁化ダイナミクスが織り成す多様な物性が発現する。 氏は、物質中の量子相対論的効果「スピンホール効果」を用いることで、スピン流-磁化ダイナミクス相互作用の物理を体系化した。特にスピン流による磁気緩和変調現象を発見し、本現象がスピン流の定量を可能とすることを明らかにした。更に磁化ダイナミクスを用いることであらゆる物質中に巨大スピン流の生成が可能であることを見出し、この汎用的スピン注入手法の開拓により、スピントロニクス研究?素子設計の自由度が劇的に拡大された。
本研究成果は、ダイナミクスのある系でのスピン流物性の本質を明らかにしただけでなく、超省エネルギー次世代電子技術の基盤となることが期待される。
主要論文:
(1)「Electric manipulation of spin relaxation using the spin Hall effect」Physical Review Letters誌、Vol. 101、p036601、2008年7月発表
(2)「Electrically tunable spin injector free from the impedance mismatch problem」 Nature Materials誌、Vol. 10、p655~659、2011年6月発表
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