本文へ
ここから本文です

ナノ格子反射防止表面、光ファイバー先端に形成、ナノ技術で安く製作

  東北大学大学院工学研究科の金森義明 准教授と羽根一博 教授の研究グループは、微小な窪みが多数形成された反射防止構造体を光ファイバーの先端に製作する技術を開発しました。 

 

  光ファイバーは光通信や光分析装置の構成部品として使われており、光源?受光素子やレンズなどの光部品との接続損失を減らすために、先端に反射防止膜が形成されています。従来の反射防止膜は真空装置を使って薄膜を付けるため、コストがかかるのが問題でした。
  金森准教授らは、ナノインプリント技術を用いて、光ファイバー先端のコア部(光を伝搬する部分)に270ナノメートル(ナノは十億分の一)間隔で微小な円錐状の窪みを形成し、反射損失を低減することに成功しました。ナノインプリント技術は、基板に塗布したポリマーに原版を押し付けて微細パターンを転写する技術で、高価な露光装置や真空装置が不要なためナノ構造を安価に製作することができます。今回、光ファイバー先端にナノ構造を製作するために専用のナノインプリント装置を開発しました。窪みの間隔が光の波長よりも小さい場合、屈折率が変化し、反射波が生じにくくなります。反射率や波長帯域は、窪みの形状、間隔や高さで決まり、従来の反射防止膜よりも設計の自由度が高いため、要求に合わせて種々の反射防止表面を製作することが可能です。

 

  詳細は、2010年11月12日にマイクロプロセス?ナノテクノロジー国際会議(開催場所:リーガロイヤルホテル小倉(北九州市小倉))で報告されます。
 

 プレスリリース本文PDF

 

[問い合わせ先]
東北大学大学院工学研究科
担当:金森義明
電話番号:022-795-6965
E-mail:kanamori*hane.mech.tohoku.ac.jp (*を@に換えて下さい)

 

このページの先頭へ